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妊娠中の方へ



日本小児歯科学会さんが作成している、妊婦さんのためのリーフレット「プレママのデンタルケア」が非常にわかりやすいです。

ぜひお読み下さい。



妊娠16週(4ヶ月)までは、薬の影響などが胎児に現れる可能性もあります。精神的にも不安定の時期なので治療は応急処置にとどめさせてもらいます。

安定期の5ヶ月以降8ヶ月までの間にできれば治療しましょう。

それでも緊急治療以外は出産後の方が良いと思います。

8ヶ月以降は診療台に横になるのが、苦しいかも知れません。その際は水平より少し高い位置に背もたれを倒した状態が楽です。また下半身をすこし右側に傾けるのも良いと思います。


全妊娠中で胎児に影響の無い検査・治療は、

1.虫歯の検査、歯周病のポケット深さの検査

2.歯に付いている歯石の除去

3.小さい虫歯などを削って詰める治療

4.レントゲン撮影(鉛入りの防御エプロンを着用します。歯科では照射時間、線量ともかなり小さいので問題はないとされています)

です。


妊婦と胎児に注意が必要である治療は、

1.大きな虫歯の治療や、神経(歯髄)を抜く治療

2.親知らずを含む歯の抜歯

これらの治療は、局所麻酔が必要ですし、治療後に化膿止め、痛み止め等の薬を飲んでいただく必要があります。

主治医である産科の先生とよく相談することが大切と思っています。


妊娠中の飲み薬について

できれば、薬や麻酔は使用しない方がよいと思います。

使用する場合は、本当に必要であるかよく考えて、必要最小量にします。

かといって症状が重くなるまで我慢して、麻酔や薬が大量に必要になっては元も子もありません。

妊娠前の治療、早期発見、早期治療が大切です。

化膿止めは妊娠安定時にセフェム系、ペニシリン系(もしくはマクロライド系)抗生剤を使用します。

痛み止めはアセトアミノフェン(もしくは塩基性)を使用します。


妊娠中の局所麻酔薬

催奇形性が認められるものはありません。最も使用される血管収縮薬エピネフリンを含むリドカイン(キシロカイン)は胎盤通過性があります。

しかし使用量は影響を及ぼす量よりはるかに少ないので、それほど心配する必要はないと言われています。


レントゲン

歯・顎領域と生殖腺部は離れているため、生殖腺部に直接放射線が放射されることはまずありません。ほとんどが散乱線や漏洩線によるものであり、線量はかなり低く、下顎デンタル撮影では検地できない程と言われています。

妊娠していたとしても実際に胚に影響が出ず、基本的に胎児に影響はないと考えられています。

念のために鉛入りの防御エプロンをした方がよいと思われます。


つわり時の歯磨きについて

つわりの時の歯磨きはつらく、歯磨きがおろそかになると口腔内が不潔になるので、以下の点を参考に磨いてみてください。

  • 体調の良い時間帯に磨く
  • ぶくぶくうがいを十分に
  • 歯ブラシは小さめのものを
  • 歯ブラシを小さく動かす
  • 顔を下に向けて磨く
  • 匂いや、刺激の強い歯みがき粉を避ける
  • なにかしながら等、ながら磨きをする

    ご自分で工夫しながらがんばってください。


    妊娠時に発現しやすい病気


    女性ホルモンの影響について

    歯肉溝中の嫌気性菌、特にPrevotella intermediaは、女性ホルモンであるエストロゲン、プロゲステロンを利用してよく発育します。これら女性ホルモンが血液中から歯肉溝(歯と歯ぐきの境目)中で毛細血管から移行してP.intermediaが増殖し、妊娠性歯肉炎を起こして歯ぐきから出血しやすくなります。


    歯周病原菌の胎児に及ぼす影響

    近年、歯周病原菌の一つであるP.gingivalisの内毒素が、子宮内に移行して早産や未熟児の原因となっていることが証明されました。


    妊娠期における注意点

    妊娠初期、4週5日から妊娠7週までは、胚は投与薬物などからの催奇形性に注意が必要です。

    妊娠8週から15週は主要な器官は形成されていますが、口唇口蓋はまだ形成期です。

    妊娠16週以降の妊娠安定期においては比較的安全に治療を行えます。

    妊娠末期(7ヶ月以降)は、胎児もかなり大きくなり、仰臥位低血圧症候群に注意が必要です。



    追記:授乳中の歯科治療


    授乳中の歯科で処方する薬の服用

    こちらをご参照ください。影響は少ないと思われますが、心配の場合は、やはり母乳を止めていただくしかないと思います。なお局所麻酔はほとんど影響がないと思われます。


    参考文献

  • 妊婦の歯科治療とカウンセリング