(5) むし歯の予防【細菌】
それではどうやってむし歯を防げばよいのでしょう。
むし歯の原因は、細菌、歯、砂糖の3つの要因があって、起こるといいましたが、その3つの要因に対してアプローチをしていきます。
まずは、細菌に対してです。CMでプラークコントロールという、言葉をきいたことがありませんか? 細菌に対しては歯みがき、プラークを除去して、対抗していきます。人間は細菌と一緒に暮らしているので、完全に除去することはできません。そこで、うまく付き合う、つまりコントロール(プラークコントロール)することが目標となっています。
写真をみてみてください。一見きれいに見えますが、プラークを染めだす液をつけてみると、
このようにプラークが付着していることがわかります。特に歯と歯茎の境目や、歯と歯の間についていることがわかります。プラークはうがいをしたくらいでは溶けません。ブラッシングしないととれません。
プラークを確実に取ることが大切です。
ひとつにはみがき方があります。
歯みがきの仕方にはいろいろありますが、代表的なスクラッビング法を紹介します。スクラッビング法は、歯ブラシの毛先を歯面に直角にあて、細かく(1cm程度)横に動かし、1~2歯ずつ奥から前に移動してください。
大きく動かしても、歯と歯の間に毛先が入らず、みがき残しとなります。
毛先が入るように細かく動かしてあげます。
硬い毛先の歯ブラシを使ったり、また強く歯に当てると、歯が削れてしまいます。
普通の硬さの歯ブラシを選んで、毛先が歯と歯の間に入る程度、強すぎないように歯に当てて、みがいてあげます。
どこをみがいたのか忘れないように、一筆書きを書くようにみがくことも大切です。
一番みがきづらく、みがきのこしの出るところは、(1)奥歯のかむ面、(2)歯と歯の間、(3)歯と歯ぐきの境目なので、このようなところを狙ってみがいていきます。
低学年のうちは、子供1人では、きちんとみがけません。
まず子供に歯みがきをさせたあと、みがき残しのないようにもう一度大人がみがいてあげてください。
歯みがきは習慣にしないと、やらなくなります。かならず食後に磨くような習慣をつけてもらうことが、大事です。下の三つの標識を覚えてください。
なお、6歳頃の時期に大事なことは、おとなの歯がはえてくることです。
はえてきたばかりの歯は、硬さが未熟で、むし歯に非常に弱い状態です。
また歯ぐきがかぶさっていたりして、少々みがきずらいです。
しかし、今後一生使わなければならない歯なのですから、心してみがいてください。
上の写真は6歳の子の、第一大臼歯の写真で、プラークを赤く染め出したところです。溝のところが赤くなっていることが分かります。大切なおとなの歯、このままではいけません。
奥歯にはえてきた歯は特別に、歯ブラシを頬の方から突っ込むようにして、よこみがき、書き出し磨きをして、大切にみがいてください。
それから歯ブラシですが、ヘッドが小さく奥までとどき、上の写真上段の歯ブラシのようにひろがったものは使わず、ひろがりはじめたら、新しいものと変えてください。
まとめです。