レントゲンの被曝量について
[新歯界]2008年1月号に、東海林 理先生が 「歯科医療における放射線被曝について」と言う題で書かれていたので、勉強した事を少しブログに書いておきたいと思います。
歯科では一般的に2種類のレントゲンを撮ります。一つはパノラマと呼ばれ顎全体を一度に映し出す方法で、もう一つはデンタルと呼ばれ2~3歯を映すレントゲンです。
被曝量は
パノラマで0.0011mSv(ミリシーベルト)
デンタルで0.0014mSv(ミリシーベルト)
と書かれていました。
1秒も照射しないデンタルよりも、8秒(当院の場合)照射するパノラマの方が、被曝量が少ないのですね(パノラマには増感紙というものが入っていて、少ないX線(線量)で撮影できるようになってはいるのですが)。久しぶりに数値をみて、そうだったかなぁと驚きました。
なお、頭の輪切りの写真を撮る事ができる頭部CT検査の被曝量は2.2mSv(ミリシーベルト)で、歯科で撮影するレントゲンの1000倍もの被曝量があります。
また、人間は普通に生活をしていても自然から放射線を受けていて、その被曝量は年間2.4mSVと言われています。
自然放射線の一人当たりの実効線量
外部被曝
宇宙線 0.4mSv
地殻からのガンマ線 0.5mSv
内部被曝
空気から(主にラドン)1.2mSv
食物から 0.3mSv
合計 2.4mSv
歯科で撮影するレントゲンは、CTや年間に自然に受けている放射線量に比べてかなり少ない事がお分かりいただけると思います。
最近、歯科でデジタルレントゲン装置を導入している医院も多いと思いますが、これですと少ない被曝量をさらに1/2にできます。が、被曝量が少ないからといって撮影に失敗して2枚撮影すると普通のレントゲンと同じ事になります。
もともとCTなどに比べると、歯科で撮影するレントゲンは被曝量が1000分の1以下と少ないので、被曝量の点ではデジタルレントゲンも普通のレントゲンもそんなにかわらないと思いますが、現像しなくていいのですぐに見れる所はいい所だと思われます。
当院は、現在の所、普通のレントゲンです。(^_^;)